Internet Explorerをやめるべき理由

今回の内容
マイクロソフトのWebブラウザ「Internet Explorer」をお使いになるケースがあると思いますが、マイクロソフトは使うのをやめるよう言い続けているのをご存じですか。なぜInternet Explorerをやめるべきなのか調べてみました。今回はいつもとは少しテイストを変えてお届けします。

Webブラウザのシェアをおさらい

仕事に使うツールの多くがSaaSとなったいま、毎日の仕事にWebブラウザは欠かせない存在。そんなWebブラウザのシェアがどうなっているのか調べてみました。

ワールドワイドの2020年1月~2月のWebブラウザシェアでは「Internet Explorer (以下、IE)」のシェアはわずか1.64%。ずいぶん少ないですね。2000年代初頭にはWebブラウザシェア95%を誇っていたのがウソのようです。

続いて日本におけるIEのシェアを見てみましょう。日本ではワールドワイドよりは少しシェアが高く、7.23%となっています。ワールドワイドより少し高いとはいえ日本国内でもこの程度のシェアしかありません。これらのデータから、世界的に見ても日本国内においても現在ではほとんどIEが使われていないことがわかります。

理由その1:もうほとんど使われてない

マイクロソフト自身がやめるよう言っている

2018年にマイクロソフトは「Japan IE Support Team Blog」において、IEの利用をやめて「Microsoft Edge」に移行するよう呼びかけました。

Windows 10 においては、Microsoft Edge と Internet Explorer というふたつのブラウザーが搭載されていますが、弊社としましては、Internet Explorer との後方互換性が必要な業務 Web システムには Internet Explorer を利用いただき、Internet Explorer でなければならない場合以外は Microsoft Edgeをご利用いただくことを提案してきました。

Japan IE Support Team Blog

マイクロソフトはWebベースの古い業務システムのためにIEを残しました。コストや技術的な問題から古いシステムを更新できない企業のための救済措置です。IE11にIE7やIE8の互換表示モードが搭載されているのはこのためです。IEはあくまでも古くてIEでなければ動かない業務システムのためのもの、一般的なWebサイトを閲覧する場合などにはMicrosoft Edgeを使いましょう。IEはもう一般的な意味でのWebブラウザではないということですね。

理由その2:IEは単に古いシステムの互換性維持が目的のアプリ

実はIE11のサポート終了日は決まっている

IE10以前のバージョンはすべてサポート切れで現在サポートされているIEのバージョンは11ですが、そのIE11も実はサポート終了日は決まっています。

Internet Explorer は、Windows オペレーティング システムのコンポーネントであり、その最新バージョンはインストールされているオペレーティング システムの特定のライフサイクル ポリシーに引き続き従います。

ライフサイクルに関する FAQ – Internet Explorer

つまりIE11のサポート終了日はWindows10のサポート終了日と同じだということです。そしてWindows10の延長サポート終了日は「2025年10月14日」です。(製品のライフサイクル検索ページより)このことから、IE11のサポート終了日も2025年10月14日となります。

理由その3:IE11は明確にサポート終了日が決まっている

IE11が最後のバージョン

マイクロソフトはIE11がIEの最後のバージョンになると明言しています。

Internet Explorer 11 は Internet Explorer の最後のメジャー バージョンです。

ライフサイクルに関する FAQ – Internet Explorer

しかも先ほども述べたようにIE11はレガシーなシステムの互換性を維持するためだけのブラウザなので、新しい機能や新しいWeb技術のサポートなどの開発はされません。

理由その4:IEはもうすでに開発を終了している

コストの問題でIEを捨てられない?

IEでなければ動かないようなレガシーなシステム、コストの問題から更新が難しいケースがあります。でもちょっと待ってください、古いシステムを維持するのにもコストがかかるのです。そういったレガシーシステムは高額な保守費用がかかったり古いシステムに対応するシステム担当者の人的コストもかかります。

this seems like a deliberate decision to take on some technical debt. It’s true that most organizations have some technical debt lying around. (For example, if you’ve disabled User Account Control, require a 32-bit OS or 32-bit Office suite, or are paying for extended support for a legacy version of Java, you have some technical debt.) But this technical debt? Well, it’s different.

Microsoft Tech Community – The perils of using Internet Explorer as your default browser

マイクロソフトのセキュリティ専門家Chris Jackson氏は、古いシステムを維持することは「技術的負債」を抱えることになると述べています。システムの刷新をせずに問題を先送りしているだけだということです。IEに依存するようなシステムを刷新して欲しいと呼びかけています。

理由その5:IEが必要なシステムは維持するのにかえってコストがかかる

IEでは動かないサービスがある?

マイクロソフト自身が「技術的負債」とまで言ってしまうブラウザ。公式にIEをサポートしないと明言するWebサービスが増えています。そしてIEとの互換性テストを行わないWeb開発者もいます。使うひとがどんどん減っているIEのサポートをするのにリソースを割けないのです。YouTubeやTwitterではIEでアクセスするとEdgeやChromeなどほかのブラウザでのアクセスをすすめる表示が出ます。Instagramに至ってはIE11でなにも表示できないといった具合。IE11は新規開発は終了しセキュリティや不具合のアップデートのみとなっているので、Webサイト側が取り入れている最新機能に対応できないのです。

現在の世の中にあふれるリッチなコンテンツは、すでに Internet Explorer ではサポートしていない最新技術を利用して実現されており、その流れは今後さらに加速していくと言えます。

Japan IE Support Team Blog

理由その6:新しいWeb技術に対応できず取り残されてしまう

IEをやめるべき理由まとめ
  • その1:もうほとんど使われていない
  • その2:IEは単に古いシステムの互換性維持が目的のアプリ
  • その3:IE11は明確にサポート終了日が決まっている
  • その4:IEはもうすでに開発を終了している
  • その5:IEが必要なシステムは維持するのにかえってコストがかかる
  • その6:新しいWeb技術に対応できず取り残されてしまう
私たちの今後
今回改めてマイクロソフトがIEを利用しないよう呼びかけている理由がわかりました。利用者も極端に少なくなっている上に古いブラウザなので私たちもお客様にはEdgeやChromeなど他のブラウザへの乗り換えをおすすめします。私たちマーケティング部の作るサイトは新しいWeb技術を取り入れていきますのでIE11できちんと表示できないかもしれません。皆さまもぜひ最新のテクノロジーに対応したブラウザでアクセスいただくようお願いします。